第Ⅳ章 我は福音を恥とせず
苦難時代 1931(昭和6)年~1947(昭和22)年
思想統制の嵐
1931(昭和6)年、人事問題をめぐって高等学部にストライキが発生し、関係者を大いに憂いさせた。中国大陸の戦火が広がるにつれて、徴兵猶予の特権を失った文科系学校の学生には、召集令状が発せられ、ペンを銃に持ち換えた学徒兵たちは続々戦場に向かった。「キリストと天皇とどちらが偉いか」などという設問がキリスト者を悩ましたのもこの時代のことである。