平成23年8月10日

 

 

　学校法人東北学院の平成23年度補正予算が去る7月28日の評議員会及び理事会でそれぞれ承認され、成立した。
　平成23年度補正予算は、東日本大震災で被害を受けた施設設備の復旧や被災学生生徒等に対する学納金減免・給付奨学金の支給等の経済的支援をはじめ、メンタルケア・就職支援等を最重要事項と位置付けて編成した。
　また、大学部門にあっては東北再生のために、シンポジウムを開催する等、大学として社会に対して震災から再出発するための提言を発信していくことに必要な事業の予算を盛り込んだ。
　なお、本補正予算を編成するにあたっては、入学辞退者、休・退学者の増加による学納金収入の減少が見込まれる一方、上述の学生生徒等の支援及び建物・施設等の復旧による支出増が伴うことから、3月3日に成立した平成23年度予算の一部を削減、凍結し、復興財源に充当している。
　次に消費収支計算書をもとに予算の概略を説明する。平成23年度補正予算は、帰属収入が約189億3,865万円と平成23年度当初予算に比べて約17億6,080万円増加している。帰属収入のうち最も大きな割合を占める学生生徒等納付金は、139億8,049万円と見込んだ。帰属収入に占める割合は約73.8％である。
　手数料は約3億9,169万円と見込み、寄付金は、多くの方々から震災復興支援金として寄せられた結果、平成23年度当初予算に比べて3,554万円の増加を見込んでいる。
　補助金は、主に東日本大震災により被災した施設等の災害復旧事業に対する国庫補助金等の増加により、平成23年度当初予算に比して約11億621万円増の約30億234万円と見込んだ。
　また、資産運用収入については金融商品の利率等を考慮して、平成23年度当初予算に比べて約5,620万円増の約3億7,042万円を計上した。
　事業収入は、主として大学部門の補助活動収入について過去の実績をもとに積算した結果、全体では約9,620万円を見込んだ。
　雑収入は、退職者の増加に伴い、私立大学退職金財団や私学退職金社団からの交付金が平成23年度当初予算に比べ約5,600万円多く交付されることと、東日本大震災により被害を受けた施設等の損害保険金が5億円見込まれることから、平成23年度当初予算に対して5億6,675万円増加した。
　基本金組入額は総額12億2,293万円であり、帰属収入に占める割合は約6.5％である。なお、大学キャンパス再編・統合事業のための準備として、平成22年度補正予算から第2号基本金の組入れを3億円増額している（現行計画は25年度まで）。
　消費支出の部で最大の科目は人件費であるが、平成23年度補正予算は平成23年度当初予算に比して退職者が増えるのに伴い、退職給与引当金繰入額が1億1,879万円増加するため、人件費全体では約1億4,306万円増の約96億2,878万円となった。帰属収入に占める割合は約50.8％である。
　教育研究経費は、東日本大震災で被害を受けた施設設備の復旧費や被災学生生徒等に対する学納金減免・給付奨学金の支給等の経済的支援に伴う奨学費が見込まれるため、平成23年度当初予算に対して、約13億5,764円増の65億4,116万円となった。
　管理経費も同様に、東日本大震災で被災した施設設備の復旧に伴う修繕費の支出増が見込まれるため、平成23年度当初予算に比して約3,244万円の増額となった。
　資産処分差額は、主に東日本大震災で被災した施設設備の撤去に伴う簿価を計上した。
　以上、平成23年度補正予算を総括すると、消費収入の部合計は約177億1,572万円、消費支出の部合計は175億5,007万円となった。その結果、消費収支差額は約1億6,565万円の消費収入超過となり、累積では約3億3,464万円の消費収入超過となる見込みである。平成23年度の収入超過分は平成24年度入学予定者の学納金減免及び被災学生に対する平成24年度から26年度までの継続的な給付奨学金の支給をはじめ、被災した施設設備等の復旧等の財源に充当する予定である。したがって、これまで同様に、収入の一層の確保と支出の削減に向けてより一層の努力をしていく所存である。
　なお、「資金収支計算書」における前年度からの繰越支払資金は約207億4,731万円であったが、次年度への繰越支払資金は約4億5,326万円増の約214億6,734万円となる見込みである。