学校法人東北学院

年頭所感 -星宮望 院長

2014年01月06日

土樋北キャンパス整備を機に国際標準の大学への転換を期待する


 
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   学院長 星宮望


 新年、明けましておめでとうございます。平成26(2014)年を迎えて、皆様の上に主の平安がありますようにお祈り申し上げます。昨年、東北学院として創立127周年をお祝いすることができましたことを心から感謝申し上げます。
 東北学院にとって百年の大計であった東北大学片平南地区の土地購入にともなう大規模な東北学院大学キャンパス整備計画が頓挫したことは、平成23年(2011年)に発生した東日本大震災によるものとはいえ、東北学院にとっては極めて重大事でありました。
 かろうじて、県議会TG会の諸氏のご努力によって、当初計画のわずか1/7ではありますが、その一部の土地を取得することになり、この新しいキャンパス(土樋北キャンパス)への建築計画の骨格が決定し、設計業者の選定結果が公表されました。
 この機会に、東北学院大学がその研究・教育レベルを向上させて、優秀な学生諸君を輩出する国際標準の大学に脱皮することを願っています。
 私は、これまでの学長在任の9年間において、当初からずっと主張してきたにもかかわらず実現していないことについて改めてここに表明し、今後の東北学院大学の方向性を考えていただきたいと思います。
 それは、国際的な研究推進のための環境を整える上での国際標準ともいえることです。一例をあげますと、私は1975~1976年に14ケ月間スウェーデン国ウプサラ大学に長期研究出張しておりました。
 この大学はこの年に創立499年という古い大学ですが、工学部系・理学部系や医学部系などの組織においては、研究者である教員はもちろん、大学院学生も大学生もそして私たち外国からの研究者もすべて、1年365日、1日24時間、大学への出入りは自由でした。
 そして、学生でも常時、大学のコンピュータを使えました。このことが重要なのです。建物の中を区分して、学生の利用できる区域と教員の利用できる区域を鍵の種類を変えることで上手に処理していました。
 今から38年前のことです。簡単なことですし、今なら、電子的に容易なことです。
 なお、このことは、理系に限ったことではなく、広く文系を含めた一流大学の常識とうかがっております。
 これが、国際的な標準の一例です。東北学院大学では、残念ながら21世紀の今でも実現していません。私が学長としてその重要性を主張してきましたが、実現できませんでした。
 たぶんこれまでの東北学院大学での研究に対する常識が邪魔してきたからかも知れません。
 キリスト者が日曜日の午前中に教会に行くこととは全く関係のない禁止事項です。
 残念ながら、法人の枢要な役職者の理解も不十分でした。教員ですら夜遅くなると警備員によって学外へ退去させられるのが通常と伺っております。
 本学の残念な例を挙げましたが、ここで申し上げたいことは、研究を推進するための環境の整備には時間的な制約を離れて自由に研究を推進できるようにすることが大切です。
 「1年365日、1日24時間、大学への出入りを自由とすること」を正面からとりあげてセキュリティシステムの構築に工夫をすることが重要であると思います。
 土樋北キャンパスの建築群の設計・施工においては、是非実現していただきたいと思います。
 私は、昨年3月末に任期満了により学長職を離れて、4月からは院長職に専念することになりましたが、今後とも、建学の精神に立脚して、幼稚園から大学までの全東北学院が、「若者の心を育てる」教育を実施して、優れた人材を輩出していける教育機関として発展するよう今後とも努力したいと考えております。教職員、生徒・学生諸君、同窓生各位のご支援・ご協力をお願い申し上げます。