学校法人東北学院

TG Grand Vision 150(東北学院中長期計画)

TG Grand Vision 150及び第Ⅱ期中期計画策定にあたって

理事長

学校法人東北学院
理事長 原田 善教

少子高齢化による人口減少社会の到来は私立学校の存続の危機をもたらしています。2019年の学校基本調査によれば、18歳人口は2024年に、15歳人口はその3年前2021年に底を迎えます。とりわけ東北地方の人口減少率は他の地域よりも大きく、その影響は大きいものがあります。

また、現代は「VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)」の時代と言われています。先を見通すことがいよいよ難しい時代になったのです。そうした時代であればこそ、まさに変わることのない強固な建学の精神に基づく一貫した教育方針を持つ私立学校の強みがそこにあるはずです。それゆえに、建学の精神の基盤の上に中長期計画(Vision)を提示し、それに基づく行動(Action)を起こしていくことが必要であり、求められているのです。

すでに東北学院は、創立130周年の年に中長期計画「TG Grand Vision 150」を内外に公表し、創立150周年を目指した歩みを進めています。その計画では、「ゆたかに学び 地域へ世界へ ~よく生きる心が育つ東北学院」というビジョンの下、20年後の2036年の創立150年の東北学院の姿を明確に示し、そこに至る20年間のロードマップを提示しています。20年間を5年ごとの4期に区分し、それぞれの期における全体及び各部門の達成目標を明示し、その実現に向けた全体及び各部門の年度ごとの実行計画(重点項目)を策定し実行しています。

第Ⅰ期の実行計画の最終年には、第Ⅰ期中期計画の総括と全体計画の見直し、そして第Ⅱ期計画の策定が法人の企画委員会において進められてきました。このたび提示する第Ⅱ期中期計画は、意識改革、明確な目標設定、PDCAサイクルの「見える化」をキーワードに策定されています。まず最大のポイントはスクールモットーの確定です。東北学院としてのアイデンティティを確立するために、スクールモットーを「LIFE LIGHT LOVE」としました。また、2021年度からスタートする第Ⅱ期中期計画は、第一に、東北学院の将来像をより明確化し、実現のための数値目標を設定したこと、第二に、各設置学校の特色を明確化・先鋭化するために特定プロジェクトを設定し予算化したことです。教育の質向上に向けて、基本的なことを着実に実行しながら新たな課題に果敢に挑戦していく姿勢こそが求められ、そうした努力が教育の質保証を担保することになります。まさに中長期計画TG Grand Vision 150は本院の生き残り戦略を示すものに他なりません。したがって、本院としては建学の精神に立脚し、継続性・法令遵守・説明責任という3つの経営理念を堅持しつつ、経済合理性に基づく運営を心がけ着実に遂行してまいります。

「魅力ある東北学院」像をもって本院のプレゼンスを高め、社会から「選ばれる学校」として持続的発展を実現すべく、本院のスクールモットー「LIFE LIGHT LOVE」の下に強いアイデンティティに支えられた教職員の一丸となった主体的・積極的な協力・貢献を心から願うものです。