学校法人東北学院

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【敬神愛人】土樋キャンパスと桜の来歴(史資料センターWEBコラム)

2018年04月12日


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 厳しかった冬が過ぎて、仙台は例年に比べて早く3月31日に桜開花の便りが届き、4月4日に満開を迎えました。

 土樋キャンパスには、本館南側に立派な桜の木があります。毎年、大ぶりの枝から頭上を覆うように桜の花が咲く光景が広がります。学生時代に「桜の下で!」と待ち合わせの場所にした、など数々の桜の木とのエピソードをお持ちの同窓生の方も多いかと思います。そんな桜の木は相当に年数が経っていそうですが、はたしていつからこの場所に存在しているのでしょうか。

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 終戦直後のカラー写真を見てみると、まだ若々しい桜の木が今と同じ位置にあるのがわかります。ちなみに、右手には河岸段丘の石垣もみえます。戦前はここに標的を設置して、学生の実弾射撃訓練が行われたといわれています。また、同じく右手には木造の建物がみえますが、1945年7月、仙台空襲によって本館東側一帯の木造校舎はことごとく焼失していますから、終戦後に建てられたものでしょう。

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 では、もっとさかのぼってみましょう。東北学院が土樋に専門部校地を整備してまもない写真です。専門部校舎(現・大学本館)の竣工式を兼ねた創立40周年記念行事の写真ですが、いくつかの小さな木が植えられているのが確認できます。これも位置から考えると、あの桜の木と考えられます。そして、よくみるとそれぞれに支柱があるので、このとき植樹されたばかりだということがわかります。ということは、本館の完成とともに植えられ、樹齢90年以上だといえます。
 おそらくあの美しい桜の木は、本館とともに盛況な創立40周年行事や戦前の軍事教育、大空襲と、まさに苦楽をともにしてきたことでしょう。


 ぜひ、来年はそんなことにも思いを馳せながらお花見を楽しんでいただければと思います。