学校法人東北学院

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年頭所感-原田善教理事長-

2021年01月04日

発展・進化する東北学院

 
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理事長 原田善教

 新年、明けましておめでとうございます。二〇二一年、東北学院創立百三十五年という新しい年を皆さまとともに迎えることができましたことに感謝したいと思います。二〇二〇年は新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きく社会生活が変容し、それとともに教育のあり方が問い直される年になりました。各設置学校は直面する事態に注意深くかつ慎重に対応し、困難な状況に陥ることなく円滑に業務を遂行することができました。教職員の皆さまの努力に感謝申し上げます。新しい年になったからといってこの状況が著しく改善するとは考えられません。教育の本質は対面授業にあることは言うまでもありませんが、遠隔授業との併用によって教育の質を高めることになると一定程度理解されたように思います。これまでの取り組みは今後後戻りすることはないように思います。この成果を活かしてウィズコロナに対応した学生・生徒本位の、まさに学習者目線での教育体制の構築にこれまで以上に取り組んでもらいたいと思います。

 近年の急速な少子化の進行は、我々の眼前に人口減少社会の到来を現出させています。二〇一九年の学校基本調査によれば、十八歳人口は二〇二四年に、十五歳人口はその三年前二〇二一年に底を迎えます。とりわけ東北地方の人口減少率は他の地域よりも大きく、その影響は大きいと言わざるを得ません。かつて日本創世会議が創り出した「消滅可能性都市」という言葉が想起され現実味を帯びてきた感があります。こうした少子化と人口減少は教育産業を斜陽産業化し、私立学校は存続の危機に瀕しています。そのような中にあって、東北学院は「存続できる学校」、「社会から選ばれる学校」として次の世代にその歴史と伝統を刻んでいかなければなりません。

 また、現代は「VUCA」の時代と言われています。Vとは「Volatility(激動)」、Uとは「Uncertainty(不確実性)」、Cとは「Complexity(複雑性)」、Aとは「Ambiguity(不透明性)」を意味しています。先を見通すことがいよいよ難しい時代になったと言うことでしょう。そうであればこそ、まさに変わることのない強固な建学の精神に基づく一貫した教育方針を持つ私立学校の強みがそこにあると思います。したがって、建学の精神の基盤の上に中長期計画(Vision)を提示し、それに基づく行動(Action)を起こしていくことが必要であり、求められていると言えるでしょう。

 そうしたことについては本院はすでにTG GrandVision 150を設定し行動計画を明示してきました。二〇二一年度から第Ⅱ期中期計画が開始されることになります。これまでの第Ⅰ期中期計画と大きく異なっていることは、第一に、法人及び各設置学校の将来像を明確化し、それに向けて数値目標を設定したことです。第二に、各設置学校の特色を明確化・先鋭化するために特定プロジェクトを設定し予算化したことです。教育の質向上に向けて、基本的なことを着実に実行しながら新たな課題に挑戦していく姿勢こそが求められます。こうした努力が教育の質保証を担保することになると思います。

 本院は現下の目標(Goal)を、二〇二三年四月、大学五橋キャンパスの供用開始に設定しています。外から見てすぐにわかる「変わる東北学院=発展・進化する東北学院」の象徴だからです。と同時に五橋キャンパスという入れ物に入れる大学の中身も大きく変わろうとしています。これに照準をあわせて二〇二二年四月の中学校・高等学校の共学化を伴う学校改革、幼稚園の制度改革も進んでいきます。榴ケ岡高等学校はコース制の完成年度を迎えその成果が待たれます。まさにメタモルフォーゼです。広報を一元化し、積極的・戦略的に広報していきます。

 建学の精神に基づくスクールモットー「LIFELIGHT LOVE」を胸に刻み、神のお守りのもと、教職員、学生・生徒・園児が東北学院のアイデンティティを共有して「発展・進化する東北学院」の一員として一丸となり、目標の実現に強い決意と覚悟を持って二〇二一年を歩んでまいります。卒業生をはじめ、東北学院に連なる皆さまの一層のお見守りとご支援をお願いいたします。