礼拝堂とオルガン
ラーハウザー記念東北学院礼拝堂
ラーハウザー記念東北学院礼拝堂は、昭和7(1932)年3月に土樋キャンパスに献堂されました。J. H.モルガン(米国)の設計によるカレッジ・ゴシック様式の礼拝堂です。収容人員は900名で、外壁に地元秋保産の石が使われています。シュネーダー第二代院長の米国における募金活動に賛同して献金を寄せたエラ・ラーハウザー嬢の名前がつけられています。正面のステンドグラスは、イエス・キリストの昇天(ルカ福音書24章51節)の場面を極彩色で描いたもので、英国より輸入されました。講壇向かって右側に、当時北日本唯一のオルガンとして活躍した米国モーラー社の楽器がその形のみをとどめています。平成26(2014)年12月19日、国の登録有形文化財に登録されました。
現在使われているオルガンは、講壇の左側とバルコニーの一角を使い、昭和53(1978)年12月に配置されました。ドイツ(ハンブルク)のベッケラート社によるネオ・バロックスタイルの楽器です。演奏台正面の最も小さいケースにブルストヴェルク、これを囲み立つフロントパイプ(プリンシパル8')の後方にハウプトヴェルク、木の鎧戸を境にして更にその奥にシュセルヴェルクのパイプを収めてあり、バルコニー上で連結された二つのケース内はすべて足鍵盤用です。
五橋キャンパス 押川記念ホール
2023年度に泉キャンパス音楽堂から押川記念ホールに移設されたオルガンは、1989年にフランスの名工ダニエル・ケルン師が制作し、日本に初めて設置したフレンチ・クラシカルタイプのオルガンです。泉キャンパス音楽堂では、聖壇左側に位置していましたが、ここでは、舞台2階の中央に置かれ、シンメトリな外観が引き立つホールの「顔」となりました。リード管はグラントルグ(第1)、ポジティフ(第2)、レシ(第3)の3段手鍵盤に9列、ペダルに32フィートを含む4列の計13列を擁し、いずれも優れて個性的であり、加えれば充実した力強い響きを奏でます。


泉キャンパス 音楽堂
多賀城キャンパス売却のため、2024年に泉キャンパス音楽堂へ場所を移したこのオルガンは、ドイツの代表的オルガン製作所のシュッケ社のオルガンです。左ケースにペダルとシュヴルヴェルク(フランス仕様)演奏台を含む右ケースにハウプトヴュルク(ドイツ仕様)のパイプを配した原型をほぼそのままに基音ストップを多く有し、19世紀以降のレパートリーへの指向性がうかがえます。響きに花を添えるツィンベルシュテルンは、製作者より贈呈されたものです。今後は音楽堂として様々な音楽シーンの舞台となります。

